事業紹介防災

将来の災害に対して、最大限の備えを。

2011年(平成23年)3月11日14時46分、宮城県牡鹿半島の東南東沖130km、仙台市の東方沖70kmの海底を震源とする東北地方太平洋沖地震が発生しました。場所によっては波高10m以上、最大遡上高40.1mもの津波がおしよせ、東北地方及び関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらしました。
そうした中、“首都圏直下地震”や“南海トラフ地震”の発生は、今や切迫した状況と言われています。さらには地震だけでなく、ゲリラ豪雨や線状降水帯がもたらす大雨による豪雨災害や、それに伴う土砂崩れ、火山災害、雪害、大規模火事災害など未曾有の危機にさらされているのが、今の日本の現状です。
弊社は社会資本整備に携わるコンサルタントとして、培ったノウハウ等を最大限に活かし、防災・減災に努め、国民が安全且つ安心して生活できる環境づくりに尽力致します。

防災計画

今後予見される自然災害及び事故災害に対して、地域の事情に即した地域防災計画に基づき、各対応等が定められていますが、生活環境は社会経済状況等により絶えず流動的なものであり、その変化に応じた安全・安心な生活環境を日々探求する必要がある、と私たちは考えます。
そのため、弊社では常日頃から防災及び減災対策等に係る調査や、住環境改善等への市街地整備に取組んでおり、生活環境の変化を見逃さずに地域事情に即した提案・支援を進めています。

弊社では、震災後の災害対策関連法案の見直しや、富士山火山広域避難計画の策定、首都直下型地震等の被害想定の公表など、防災対策の幅広い分野における動きを踏まえ、地域防災計画(修正)に取組みました。
また、防災セミナーの開催や浸水想定区域図や液状化メッシュデータ等地理空間情報技術を用いたハザードマップ作成も行い、地域住民への啓蒙活動にも取組んでいます。

  • 液状化メッシュデータ

    【液状化メッシュデータ】

  • 浸水想定区域図

    【浸水想定区域図】

実績紹介:防災

避難場所検討

弊社では、震災時火災から、生命を守るため、広域避難場所や避難圏域、避難道路の検討業務を、空間情報コンサルタント技術を活用して、東京都(特別区)をはじめとして政令指定都市などで行ってきました。

避難場所及び避難道路の検討に、弊社のGIS技術を役立て、ある地区ではどのくらいの方がお住まいなのか、またある地区ではどのくらい不燃化率が進んでいるのかなどを勘案し、調査を行っています。
また火災の燃え広がり方をシミュレートする火災延焼シミュレーションでは、「延焼遮断地帯の整備と効果」「緊急輸送道路の安全性の確認」「避難場所の安全性の評価」「木造住宅密集地域の不燃化の効果」にも活用しています。

【避難計画フロー】
避難計画フロー
輻射熱シミュレーション(浜田理論

【輻射熱シミュレーション(浜田理論)】

火災延焼シミュレーション

【火災延焼シミュレーション】

宅地耐震化

平成7年の阪神・淡路大震災、平成16年の新潟県中越地震、平成23年の東日本大震災等では、盛土造成を行った宅地で滑動崩落(地震発生時に盛土の全体や一部が斜面下部方向に地滑りのように移動・崩落すること)が発生し、多くの住宅や公共施設に被害が発生しました。国土交通省ではこうした被害を防ぐため、平成18年に宅地耐震化事業を開始し、大規模盛土造成地の変動予測調査を進めています。

大規模盛土造成地の変動予測調査

  1. ①大規模盛土造成地の位置と規模の把握(第一次スクリーニング) 大規模盛土造成地の変動予測調査では、第一次スクリーニングとして、大規模盛土造成地の位置を抽出します。造成前の地形が分かる資料(旧版地形図や旧版空中写真)と、最新の地形図(標高)データを用意します。造成前・造成後の地形データを取得後、三次元差分計算を行って、造成後の標高が造成前の標高を上回っている範囲を求めることで、盛土の範囲を把握することができます。国土交通省のガイドラインによって定められた以上の規模を持ち、現況が宅地である盛土は、大規模盛土造成地であると判断されます。
  2. ②大規模盛土造成地マップの作成 大規模盛土の位置を示したマップ及び大規模盛土調査の経緯・Q&Aをわかりやすく示したパンフレットを作成し、自治体様のホームページで公表することにより、住民の方々の防災意識の啓発に役立てています。
  1. ③第二次スクリーニングの計画と実施 抽出した盛土について、第二次スクリーニングの計画として、詳細な現地踏査を行い擁壁や法面、盛土上の路面の状態などを調査し、所定の様式にまとめます。地盤調査が必要であると判断された場合は、オートマチックラムサウンディングや地下水調査等の簡易地盤調査を行い、さらに必要に応じて第二次スクリーニングとしての本格的なボーリング調査や土質試験等を行います。こうして得られた地盤情報をもとに安定計算を行い、滑動崩落のおそれがある大規模盛土造成地を抽出します。調査結果は宅造法第20条第1項に基づく造成宅地防災区域の指定や、滑動崩落防止工事を行うための基礎資料として活用できます。
オートマチックラムサウンディングによる地質調査の様子

【オートマチックラムサウンディングによる地質調査の様子】

  1. ④造成宅地防災区域の指定・活動崩落防止工事の実施 弊社は、測量から設計までを行う総合建設コンサルタントです。その広い事業領域から、第一次スクリーニングをはじめとして、第二次スクリーニング計画の現地踏査、簡易ボーリング、そして第二次スクリーニングまで、大規模盛土調査の工程を一貫して行うことができます。第一次スクリーニングにおいては、長年培ってきた空中写真測量の技術を活かし、最新及び過去の空中写真等から標高データを作成しています。一方、三次元差分計算には直接差分法を採用し、従来のメッシュ法より明確に盛土の境界や形状、厚さを把握することができるほか、規模の小さな盛土の抽出にも寄与しています。
    弊社の大規模盛土調査は、これまでに多くの自治体様からご依頼をいただいております。
【大規模盛土造成地の変動予測調査の流れ】
大規模盛土造成地の変動予測調査の流れ

実績紹介:宅地耐震化

密集市街地対策

平成28年の糸魚川市において発生した大規模火災は、昭和初期に建築された商店街や木造住宅の密集地域で起きたこと、また強い南風により日本海方向へ延焼したことなど、さまざまな要因が重なり甚大な被害を生じました。
こうした密集市街地は、古い木造住宅が密集しているため隣同士との隙間がないほか、狭あい道路が多いため、緊急車両等が入れない消防活動困難区域でもあり、特に「燃え広がりやすいまち」となっています。そのため、道路の拡幅整備や公園整備、不燃建築物等への建替え、電線類等の地中化、現在の生活を継続させる受け皿等の整備により、地域の歴史や景観などの特性は保全しながらも、火災による延焼(危険度)を下げることが急務です。
また、高齢化等に伴い所有者自らの建替えが困難な場合に対しては、土地区画整理事業の立体換地制度を活用するなど、多様な制度等を導入し、ハード面とソフト面の両面をサポートする必要があると考えます。地域住民にとって、住み続けることができ、少しでも負担等を抑えた再編に取組むことが重要です。

弊社では、空間情報等から消防活動困難区域を特定し、また火災延焼シミュレーションにより避難場所を設定する等、良好な市街地形成に向けた地区計画によるルールづくりを推進しているほか、延焼遮断地帯の機能を担う都市計画道路の整備、及びそれに係る生活再建支援等、総合的なサポートに取組んでいます。
密集市街地の住民は問題を認識しているものの、現在の生活に支障をきたしていないことに加え、移転等に伴う負担を不安視するため、なかなか地域の改善が進みません。
弊社では、整備前と整備後の比較を、航空写真等を活用した具体的で視覚的な情報として発信することや、生活再建への選択肢を提示し、地域住民が改善後の生活をイメージできるよう取組むことこそが、改善への第一歩と捉えています。地域住民の方々が抱える悩みはそれぞれ異なるため、個々の悩みを的確に把握しきめ細やかなサポートを心がけています。

密集市街地の整備イメージ

【密集市街地の整備イメージ】

出典:国土交通省白書2016 第Ⅱ部 国土交通行政の動向 第7章 安全・安心社会の構築
第2節 自然災害対策 2災害に強い安全な国土づくり・危機管理に備えた体制の充実強化

復興事業

弊社では阪神淡路大震災や東日本大震災等において、さまざまな被災者支援事業に事業施行者等と連携し、取組んできました。復旧・復興への支援においては、被災者の生活再建を第一に、現地へ技術者を派遣し早期実現に向け取組んでいます。
なお、復興業務においては、日々状況が変化し制度や諸条件が変わってくる場合もありますので、先々を見据え不測の事態にも対応できるようなチームを結成し、柔軟かつ迅速な対応ができるよう進めています。
また、東日本大震災における復興業務には継続して取組んでいますが、平成30年7月の豪雨災害や、同年9月の北海道胆振東部地震など、災害は相次いで発生しています。

復興事前準備への業務提案

復興事前準備のススメ

そうした中、国土交通省では、「復興まちづくりのための事前準備ガイドライン(2018年7月24日)」が策定され、「防災・現在対策を並行して、事前に被災後の復興まちづくりを考えながら準備しておく復興事前準備の取り組みを進めておくことが重要」として、市町村が早期かつ的確な市街地復興のための事前準備に取り組むための取組内容・留意点をまとめました。
弊社でも、「復興まちづくりのための事前準備ガイドライン(2018年7月24日)」に基づき、過去の震災復興の経験・東日本大震災での復興まちづくりの経験と得られた教訓を踏まえ、“復興事前準備のススメ”を提案していきます。

実績紹介:復興事業