事業紹介i-Construction

3次元データから次世代へ。
八州は測量・計測の
イノベーションをおこします。

国土交通省は建設現場の生産性向上や働き方改革の実現を目的として、ICT技術を活用する取組み『i-Construction』を推進しています。また、国土交通省が主導のプロジェクト「PLATEAU」では、 3D都市モデルの整備・活用・オープンデータ化 を行い、誰もが自由に都市のデータを引き出し、活用できるようにする取組みを開始しているため、より一層『i-Construction』 が期待されております。
測量・計測においては、GNSS/IMUを利用した移動体計測技術やドローン計測技術、3次元データの利活用が進められていますが、弊社では培ってきたノウハウと最新技術により、『i-Construction』の基礎データとなる3次元データを、目的や条件に応じて使用し、業務の効率化を図る取組みを行っています。

取り扱い機材のご紹介

1. 据置型3Dレーザスキャナ

弊社では様々な機種を取り扱っており、作業内容と目的に合わせて機種の選定からご提案をさせて頂いております。

RTC360

RTC360
(リアルタイムレジストレーション機能(VIS)搭載3Dスキャナー)

【特徴】
  • 測定可能距離:0.5m~最大130m
  • 計測範囲:鉛直300° 水平360°
  • 測定速度:最大2,000,000ポイント/秒
  • 範囲誤差:1.9mm@10m、2.9mm@20m、5.3mm@40m
  • 内蔵カラーカメラ:最大解像度12メガピクセル
  • レーザー:レーザークラス1
  • 重量:5.35㎏
  • 計測時間:3mm@10m 1分40秒 ※計測距離65m
         6mm@10m 49秒
         12mm@10m 24秒
TOPCON GLS-2000

TOPCON GLS-2000

【特徴】
  • 測定可能距離:最大350m
  • 計測範囲:鉛直270° 水平360°
  • 測定速度:最大48,000 点/ 秒
  • 範囲誤差: 最大±4mm
  • 内蔵カラーカメラ:広角170°/5M ピクセル
  • レーザー:レーザークラス1
  • 重量:11kg
  • 計測時間:約10分~15分
FARO Laser Scanner Focus 3D

FARO Laser Scanner Focus 3D

【特徴】
  • 測定可能距離: 0.6m~最大120m
  • 計測範囲:鉛直300° 水平360°
  • 測定速度: 最大 976,000 ポイント/秒
  • 範囲誤差: 最大±2mm
  • 内蔵カラーカメラ:最大解像度70Mピクセル
  • レーザー:レーザークラス1
  • 重量: 5.2Kg
  • 計測時間:約5分~10分

2. 移動体型 3D計測機器

Leica社製 Pegasus Two

Leica社製 Pegasus Two

【特徴】
  • 標凖レーザー1基(後方路面)を搭載。
    ( 360°照射 100万点/1秒 200回転 /1秒)
  • デジタルカメラ計6台。
  • マルチGNSS対応。
    ( GPS、QZSS、GLONASS、Galileo、BeiDo)
  • 着脱式

3. ハンディ型3D計測機器

FARO Scanner Freestyle 3D

FARO Scanner Freestyle 3D

【特徴】
  • 測定可能距離:0.5~3m
    →局所計測向き
  • 単一画像点密度:最大45,000 点/ m²
  • 解像度: 0.2~1mm
  • レーザー:レーザークラス1
  • 重量:0.98kg

4. UAV

DJI社製 MATRICE 210 RTK V2

DJI社製 MATRICE M210 RTK V2

空中写真測量、調査に使用

【特徴】
  • 最大飛行時間:約33分(荷重無し)
     約24分(最大荷重6.14kg時)
  • 運用限界高度:海抜3000m
  • 最大風圧抵抗:12m/s
  • GPS/GLONASS/Beido/Galileoに対応
  • 障害物検知範囲:0~5m
  • 重量:4.91kg(バッテリー2個搭載時)
【カメラ性能】
  • レンズ:Zenmuse X7
  • CMOSセンサーサイズ
     静止画:23.5×15.7mm
     動画:23.5×12.5mm
  • 焦点距離:24mm(35mm判換算36mm)
  • 静止画品質:静止画感度ISO:100~25600
     最大2400万画素
  • 動画品質:動画感度ISO:100~6400
PHANTOM 4

PHANTOM 4

空中写真測量に使用

【特徴】
  • 最大飛行時間:約28分
  • 最大速度:20m/s
  • GPS/GLONASS対応
  • 内蔵カラーカメラ:1/2.3″有効画素数:12.4M
  • 重量:1380g
RIEGL社製 VUX-1HA

RIEGL社製 VUX-1HA

3次元レーザー測量に使用

【特徴】
  • 最大飛行時間:約15分
  • 機体重量:9.7Kg
  • 測定可能距離:420m
  • 計測範囲:360°
  • 測定精度:最大±5㎜
  • 測定速度:最大250スキャン/秒
  • レーザークラス:クラス1
  • レーザー機器重量:3.5Kg

5. 水中音響3Dスキャニングソナー

Teledyne BlueView社製「BV5000-1350-N」

Teledyne BlueView社製「BV5000-1350-N」

【特徴】
  • 発信周波数:1350kHz
  • 視野角:42°×1°(扇状)
  • 最大計測距離:30m
  • 最適計測距離:1m~20m
  • 耐圧:1,000m
  • ビーム数:256本
  • ビーム幅:1°×1°
  • ビーム間隔:0.18°
  • レンジ分解能:1.5cm

実績紹介:3D計測

地形測量

3次元計測の多様化に伴い近年国土地理院より、作業規程や各種のマニュアル(案)が公開されました。地形測量の品質は、さらに向上することが期待できます。
地形測量における3次元データ取得のメリットは、短時間で広範囲の地形データを取得でき、現地作業を短縮できることです。
また、3次元計測により空間的にデータを取得できるようになり、従来の手法ではありえたデータ欠落による再測量を軽減することができます。

無人航空機計測(Unmanned Aerial Vehicle)

UAV搭載型計測機器は、UAV等無人航空機にレーザー計測機器・デジタルカメラを搭載して広範囲で計測することが出来ます。従来の測量ではトータルステーションやGNSS測量機器を用いて地上で測量するとかなりの労力と時間がかかり、航空機による測量では高額なコストがかかります。そういった課題をUAV計測では解消することできます。地上測量では、危険個所の立ち入りや通常であれば測量できないような河川の奥など安全面においてもUAV計測は有効な計測手法です。航空機は広範囲で計測できるメリットがある一方、高額なコストの問題の他、高度が高い所からの計測となるため雲がなく晴天でなければいけないと言う気象条件や精度面では1/1000、1/2500など大規模な市町村などの地図を作成するような場合が多くなります。UAV計測では雨や強風の際は計測できませんが、3~4haを1日程度で計測でき精度においても1/250、1/500で地形図の作成が可能となりコスト面、安全面、精度面で活躍しています。

  • 【UAV計測データ】

    【UAV計測データ】

  • 【地形図データ(1:500)】

    【地形図データ(1:500)】

車載型移動体計測(Mobile Mapping System)

移動体計測とは言葉の通り、移動しながら高精度の3次元データを取得する計測システムです。車両にレーザー計測機、GNSS装置、IMU(慣性装置)、デジタルカメラを搭載しており、道路部より3次元データを取得することができます。
取得した3次元データから地形図・縦横断面図の作成することができ、道路設計・電線共同溝設計に必要な測量データにも活用することができます。3次元データが取得できなかった個所の補備計測や精度を確保するため調整点を密に設置することで、設計に耐えうる測量データのご提供をすることができます。断面図のご提供は、3次元データを一度取得していれば再度現場で作業する必要はありません。また、道路や電柱の表現を切り替えることで視覚的に合意形成や地権者説明資料用のイメージ動画にも活用がされています。

【MMS計測データより作成した現況平面図】

【MMS計測データより作成した現況平面図】

  • 【点群上に縦横断ラインを示した検討図】

    【点群上に縦横断ラインを示した検討図】

  • 【横断面図】

    【横断面図】

BIM/CIMモデリング化

土木分野における計画・調査・設計段階から3次元モデルを導入し、その後の施工、維持管理の各段階においても3次元に連携・発展させ、あわせて事業全体にわたる関係者間で情報を共有することにより、一連の建設生産システムを効率化・高度化するBIM/CIM導入による建設産業の発展が期待されています。

維持管理における3次元点群データの活用

モデル化は施工の対象物が有する構造・完成までの手順・周辺環境との間で起きる干渉などが具体的に表示され可視化されることで携わる人全員が同じイメージを共有することができます。また、3次元モデルに属性情報を付与することで、台帳や竣工図面、点検記録、補修記録等を電子データで一元管理が可能となり、重複管理や不整合の防止につながるとともに施設管理に期待されています。

【三次元モデリング動画】

無電柱化整備に伴う3次元点群データの活用

国土強靭化や都市インフラの長寿命化対策の動きに伴って今後は、道路や建物の地下部分の工事が増加することが予想され、地下部分に埋設されている配管等の位置の特定は安全に工事に進める上で重要なことです。地下埋設物は探査及び地下埋設物台帳からモデル化することで、現道路の地下埋設物状況を可視化することができます。また、無電柱化整備事業では3次元点群データの活用として、現在の電柱データを除去した事業後のイメージ動画作成・地下埋設物のモデリング合成により、地権者様や関係各所への説明資料としても活用されています。

【地上部の三次元点群データと地下埋設物モデリング合成動画】

【無電柱化整備前後比較動画】

線路内計測

測量作業の高効率化と品質確保を目的とした3次元データ取得に向けて、東日本旅客鉄道(株)様、JR東日本コンサルタンツ(株)様と、三次元形状特定装置を共同で開発し特許を取得しました。(特許第6747811号)これにより業務の安全化、高品質化につながるデータの取得ができます。

  1. ①安全性 3次元計測器搭載トロ台車を使用することで、日数・機材・人員を最小限にし、事故防止を図ることができます。さらに、高所作業の軽減により、作業の安全性が向上します。
  2. ②経費削減 従来よりも外業日数を減らすことができ、経費の削減が可能となります。
  3. ③外業時間の短縮 限られた時間の中で、一度で多くのデータを取得できるため、外業時間を短縮できます。
  4. ④災害時の状況把握 災害や緊急時において、広範囲の現地状況を安全に高効率なデータとして把握することが可能になります。

鉄道事業(車載3次元レーザスキャナ)事例

  • 建築限界調査 取得した点群データから架線高等、各種施設物までの寸法検測ができます。
  • 竣工検査 工事完了後、竣工検査を3次元レーザスキャナ計測で行うことで、従来よりも短期間で広範囲を点検・検査できます。
  • 計画の協議・検討 計画の協議・検討資料として3次元データを利用することで、視覚的に判断することが可能となり、住民説明会等でのプレゼンテーションにも活用できます。
  • 首都直下型地震に伴う盛土・切土擁壁調査 3次元計測機器の導入により、短期間で広範囲の調査が可能になります。さらに、人員が立入れない危険箇所を計測することにより、安全に作業できます。
    また、耐震補強工事計画・施工検討に必要な、現状の断面図・立面図データを取得することにより、現場作業から図面作成までを効率的に遂行することができます。
  • 現場の様子

    【現場の様子】

  • 反射強度による表示

    【反射強度による表示】

施設物・構造物の点検

国土交通省が主催した平成29年度 i-Construction推進コンソーシアム技術開発・導入WG 現場試行技術の一つとして、地上型レーザスキャナを用いた排水機場・水門などの高精度モニタリングに成功しました。
構造物を3次元データで定期観測することで、ひびわれ・はらみ状況等の経年劣化を確認することができます。また、水準測量を行い3次元データと接合することにより、沈下状況の観測を行うことができます。さらに目視では確認できなかった劣化箇所の抽出が可能となり、より安全で安心な維持管理を行うことが可能となります。
加えて、弊社は『NETIS』(新技術情報提供システム)に登録しており、 『NETIS』に登録された新技術を活用し、工事の効率化やトータルコストの削減などを図っております。(NETIS番号:KT-180114-A)

構造物点検の事例

地上型3次元レーザスキャナによる床版変状計測技術は、高さの精度が標準偏差±5㎜以内で、短時間に均一な成果を得ることができるものです。また、点群データから縦横断図の作成、変状マップから数ミリ単位の変状を把握することができます。構造物のモニタリングの応用として、機械装置の傾きなどを精密に計測できます。
さらに、定期的に計測を行うことで、時系列で床版の変状把握ができます。点群データから机上で点検箇所の確認をし、現場で変状箇所の特定が可能となることで、構造物のモニタリングデータを活用した詳細な現況を表した施設図も容易に作成できます。

データ処理の流れ

データ処理の流れ